KOMPLETE KONTROL S88 Mk2 インプレッション

音楽制作用の88鍵MIDIキーボードとして Native Instruments Komplete Kontrol S88 Mk2 を導入しました。フルウェイテッド・ハンマーアクション鍵盤仕様の多機能キーボードです。まだ使い始めて間もないですが、とても気に入ったので簡単なレビューを。

配送の梱包について

製品のレビューに入る前に、どんな風に届くかの話を少し。S49(初代)を購入した際はカラフルな化粧箱に入っていたのですが、S88は業務用仕様なのか、質素なダンボール箱に入って届きました。88鍵だけあって、箱も大きい。本体重量だけで13kgちょいありますが、これまでハンマーアクションと言えば24kgの電子ピアノ(Roland FP-7)だったので、だいぶ軽く感じます。

ダンボール箱の中に、緩衝材とともにS88が収まっています。シンプル。

これまでもKomplete Kontrolを使っていたので、セットアップは特になし。USBをつなぐだけで使えました。2019.01購入時でFirmwareはv0.5.7。現時点では特にアップデートも無いようでした。

鍵盤の弾き心地

肝心のハンマーアクション鍵盤の印象は、「結構いい」です。

色々あるハンマーアクション鍵盤の中でも、比較的「重め」かなぁという感じです。さらさらっと弾きたい/ベロシティ強めに弾きたいことが多い人には向かないかもしれませんが、私は割と気に入っています。すごく弾いてる手応えがある。

またよくある電子ピアノと比べると、押し込みが若干「浅い」という印象がありました(がこれは慣れのレベル)。鍵盤が下りきった時の感触に差があって、通常の電子ピアノの打鍵時が「カタッ」という感じだとすると、KKS88はわずかに「ブニョッ」という柔らかい感触があります。ArtuliaのKeylab88も同じような感触だったので、ひょっとするとアフタータッチ付きフルウェイテッド鍵盤の特徴なのかもしれません。電子ピアノから乗り換える場合には最初は違和感あるかも。

Fatar製鍵盤ということですが、型番は分からないものの、KeyLab88と近いかなぁという印象。チラッとだけStudio LogicのSL88 Grandを触ったことがあるのですが、私はむしろKKS88の方が好みでした。

店頭展示をしている楽器店は非常に珍しく、目にしたのは渋谷のイケベ楽器(だったかな)で唯一見かけた程度。実際に触ってみて、最高!とは違うけれど、十分に及第点でこれなら使える、という印象を持ち、購入を決めました。

大型ディスプレイ

Komplete KontrolのMk2シリーズの特徴が、この2面のディスプレイ。Komplete音源を使う人であれば、非常に便利だと思います。選択肢を絞り込んで一番下流(右側)で音色を選んでる途中でも上流(左側)の選択肢を変更できるので、初期モデルのブラウズ機能よりも使いやすく、気軽にいろんな音色を試せます。お気に入り(☆マーク)がキーボード上で打てたらいいのに、とは思いました。→SHIFTキーを押しながらボタンを押すことで設定可能でした。

画面右の操作子やボタンも充実。ただDAW上での十字エンコーダーの使い方はまだ慣れません。(どういう時にどう使えるのかが飲み込みきれない)※→BROWSER/PLUG-IN/MIXER/INSTANCE/MIDIのどのモードにしているかで操作する内容が変わりました。DAWで1小節単位で移動できたり、慣れると結構便利です。

ちなみにここの「SETUP」ボタンを押すことで、いつでもキーボードのベロシティ・カーブを調整できます。Komplete Kontrol Softwareを触ることなく、ボタンとノブだけでOK。

Light Guide について

Light Guide機能は、もう単純にカッコイイ。カラフルに光るだけで気分が上がります。キースイッチの場所はすぐわかるし、なんせ88鍵あるので、だいたいどの音源でもオクターブシフトすることなくキースイッチに触れます。またKomplete Kontrol Software上でMIDIモード時のアサインをカスタマイズすれば、好みの色で光らせることも可能。

MIDI2LR – Adobe Lightroomと連携させる

おまけ。音楽制作のユーザーには関係ない話ですが、私は写真の仕事もしているため、これが結構楽しい機能。

MIDIのアサインが色々出来る、ということと関連するのですが、写真の管理・現像を行うAdobe LightroomをMIDIコントローラで操作できる「MIDI2LR」というプラグインがあります。

キーボード(白黒の鍵盤)にLightroomの各種機能(のスイッチ)を割り当てる他、画面上下の8つのノブとボタンにもパラメータを割り当てできます。前述の通りKomplete Kontrol SoftwareでLight Guideの色を変えられるので、「この範囲はこんな機能群」みたいな感じで設定できます。ディスプレイ上下のボタンとノブも複数ページに渡って設定できるので、ダイヤルで操作する方が向いている機能も多数割り当てられます。

鍵盤叩いて画面(モジュール)を切り替え、次・前の写真に移動、採用/不採用のフラグを付けたり、ノブを回して露出や色やノイズ除去を調整したり・・・MIDIキーボードで写真の操作っていうのは、なかなか新鮮な体験ですよ。

同じくNative InstrumentsのMaschineなんかも、Lightroomの操作に便利です。Komplete KontrolもMaschine(Mk2, Mk3, Studio)とも、ボタンやノブのところの文字を書き換えられるので、何のパラメータをいじってるのかが分かりやすくなります。

総評

机の上に置く、という点では49鍵や61鍵の方が圧倒的に「置きやすい」ですが、88鍵を置くスペースが確保できる&フルウェイテッドが良いという人には、とてもお勧めします。音楽の作業をする時以外でも、とりあえずKomplete Kontrolを立ち上げGrandeurを読み込んでおき、ピアノを弾きながらあれこれ考えたりするのも良いものです。

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